第十一話「土佐沸騰」6


坂本龍馬後れ至るや、其の水戸人と交りあるを以て、事の顚末を質すに、龍馬略ぼ知れる所を語り、忽ち大言して曰く、
諸君何ぞ徒らに慷慨するや、是れ臣子の分を尽くせるのみ、我輩他日事に当る亦此の如きを期せんと。
池、河野等始て龍馬の大志を抱くを知れりと云ふ。


上記は「維新土佐勤王史」に記してある、桜田門外の変の後の龍馬に関する一文です。
口語体に直すと


水戸藩士らによる壮挙に湧く土佐郷士たちでしたが、そこに坂本龍馬が現れ、
「自分もいつかこのような働きをする」
池内蔵太と河野万寿は龍馬がこのような大志を抱いているのを知ったと伝えてます。


やはり、この時点では龍馬は普通の尊攘派の志士達と変わらなかったのでしょうか?
井伊直弼は開国派で、龍馬も開国の重要性を十分理解していたと思います。


解らない!
尊皇攘夷の気運は、後に開国倒幕へと変わっていくわけですが、そのあたりのイデオロギーがごちゃまぜになっていて
龍馬もきっと何が正でなにが邪かわからなかったんではないでしょうか。


「自分もいつかこのような働きをする」龍馬:桜田門外の変について



維新土佐勤王史

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