第十一話「土佐沸騰」1


今回の「土佐沸騰」は「井口村永福寺門前刃傷事件」に端を発する、土佐藩内の上士と下士との騒動です。
土佐では関が原以降、長宗我部の家臣の末裔を下士、山内家の家臣の末裔を上士として、厳格な差別がありました。
余談ですが、僕も長宗我部の家臣の末裔です。

高知県若宮八幡宮の戦国武将:長宗我部元親銅像


事件は文久元年の3月に起きてますから、桜田門外の変の丁度一年後になります。
3月4日の夜、上士の山田広衛が節句祝いの宴会の帰り、肩が触れたと池田寅之進の実弟を無礼討ちにし殺害します。
兄、池田寅之進はこれに報復、山田広衛を殺害してしまいます。


この後の処理の仕方が史実とされるものとドラマと違います。


史実とされるものは、翌日郷士たちは坂本龍馬をリーダーとし、池田宅に集結。
吉田東洋は事件当事者「池田寅之進」一人の処分で、ことを穏便にすませようとした。
しかし、これに不満な上士が池田宅に乗り込み、2人の身柄引き渡しを要求。
リーダーである龍馬は、2人の助命を主張。
これに遅れて来た武市は池田寅之進を批判、私怨の刃傷沙汰で済ませるべきではないと主張。
いろんな押し問答が続く中、池田寅之進が自刃。


吉田東洋が龍馬を上士に推薦するという話はきいたことはありません。
しかし吉田東洋役の田中泯さんの演技は圧巻です!


井口村刃傷事件
http://d.hatena.ne.jp/mah-kun/20091108


小姓組に(上士)に取り立っちゃる」吉田東洋(ドラマ内)



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